https://www.jiji.com/jc/article?k=2020043000036&g=int%20
今週Twitterのトレンドに「スピノサウルス」が入ったときは何事かと思った。
久々にわくわくするというか、楽しいニュースだ。
【読書メモ】恐竜・古生物ビフォーアフター - 宵闇林檎〜中身ゆるゆるブログ〜
むかわ竜、学名「カムイサウルス・ジャポニクス」 - 宵闇林檎〜中身ゆるゆるブログ〜
スピノサウルスといえば、発見当初は「背中に背鰭が着いたティラノサウルス」みたいな復元図が有名だった。実は発見自体はかなり昔であるが、第二次世界大戦で標本が失われたため研究がストップしていたのだ。
1990年代にスピノサウルスの近縁種が発見された。スコミムスという恐竜だ。スコミムスは、ティラノサウルスの頭よりは、現生のワニに近い頭の形をしていた。そのため、スピノサウルスも、ワニの頭のような形に復元されることが多くなった。
これでティラノサウルスとの差別化、キャラ付けもバッチリとなり、「ジュラシックパーク3」や「ドラえもんのび太の恐竜2006」ではティラノサウルスのライバルを務めることになる。
恐竜のことを語るときに、しばしば映画などの映像作品のことが出てくる。恐竜は、化石からわかることが非常に少なく、研究が進めば今回のように姿かたちが変わっていくこともある。映像作品の表現が、当時一番メジャーな復元図なのである。とりわけジュラパの影響は大きい。恐竜の復元図は研究が進めば移り変わるが、映像作品は一度世に出てしまえば永久不変のものとして偶像が固定化されてしまう。
やがて化石が再発見され、研究が進んだ。2014年には、「実は4足歩行でした」と発表された。
2016年の上野科博の恐竜展で展示された。それはついこないだのことのようだ。さらにこんな短期間で復元図が変わってしまうとは驚きである。
4足歩行で、尻尾が平べったい、まるでワニのような姿のスピノサウルス。これが収斂進化というやつなのだろうか。また、2足歩行を始めた獣脚類が、4足歩行に戻った例になるのだろうか?とても興味深い。