GirlsforMというのは茜新社からかつて出版されていたエロ漫画雑誌。茜新社なんて聞いたことねーよ!という人が多いと思うが、泣く子も黙る「COMIC LO」の出版社だといえば伝わるだろうか。当時、茜新社は、LOのみならずいろいろなジャンルの特化エロ漫画雑誌を出していた。LOより少し年齢層高めの、JCと致すシチュを集めた雑誌もあったし、逆にお姉様方と致すシチュだけの雑誌というのもあった気がする。また違う出版社だが、モンスター娘とのエッチだけの特化エロ漫画雑誌もあった気がする。
そんな中でGirlsforMというのは、女性上位特化のエロ漫画雑誌である。第1号の表紙には「逆転なし❤︎ドMシチュエーション限定コミック誌」と書かれている。この雑誌、タイトルがなかなかシャレている。formというのはランニングで走るフォームとかの意味のformだろうか。女の子のフォームで好き勝手やりたいようにされるという意味が込められているに違いない。さらにformのMだけ大文字になっていて、GirlsforM、つまり、マゾのための女の子たち、というダブルミーニングになっているのだ。漫画の内容も基本的に女性が主導権を握ったまま行為が進んでいくものばかりである。本番行為無しで、女性側に散々いじめられて男性側がみっともなく達してオシマイ、ということも多かった。
当時僕は明らかに病んでいた。ちょうど最初の職場を辞めさせられて、次の職場を見つけてはいたが、先行きが不安だった。そんな中この雑誌を見つけて、すがったのだと思う。仕事もままならないような惨めな自分を、いじめるだけでもいいから、構ってほしい、みたいな歪んだ感情を持っていた。一応書いておくが、漫画自体は悪ではないし、素晴らしい作品ばかりである。僕は良くも悪くも影響を受け易いのだった。しかし次の職場で新しい出会いがあり、少し前向きになれたことがあった。そこでこんな雑誌を読んでいては気分が落ちたままで、よくないと思った。たしか7冊目か8冊目くらいで、買うのをやめてしまった。もう一度書くが、漫画自体は悪ではない。
次は、この「GirlsforM」を読んで、勉強になったことを書いていきたい。一つは、「射○管理」というSMプレイの一種。普通アダルトなビデオでこの単語を検索すると、ただの寸止めハンドジョブが出てくる。しかしGirlsforMで出てくる射○管理は、一味違う。男性は、女性とある約束をするのだ。次に会うまで…例えば3日間、射○を禁止、平たくいえばマスターベーションを我慢させる。もし我慢できたら、その時は女性の手によって(具体的な部位としての手とは限らないが)絶頂へ導いてあげると、約束する。射○させるときは、男性自身の手ではなく、女性の手で、である。約束を守ることができたら、彼女への忠誠を示すことが出来るだろう。口約束が無理なら、貞操帯を使い物理的に禁止してしまうことも辞さない。そういうプレイがあることを知った。もう一つは、ハンブラーという道具。これはどちらかと言うと男性をいじめるための道具で、男性特有の器官である陰嚢を固定して四つん這いから立てなくするためのものである。文章だけだと説明が難しいが、四つん這いになった太ももの後ろに陰嚢を引っ張り、2本の棒で挟み込むものである。これをされると男性は物理的に立ち上がることができない。男性特有の器官を、それを持たない女性に弄られることは、マゾにはタマらないのである。タマだけに。
そんな「GirlsforM」であったが、20冊目で廃刊になってしまったらしい。特化することは人気が出ることもあるが、この雑誌はちょっとニッチ過ぎたのだろうか。雑誌は廃刊になっても、僕の心には深く刻まれている。引っ越す時に捨ててしまったのが勿体無いが、ずっと持っているのもちょっと危ないと思った。