ポケモンが、「ウミディグダ」を発表したことにより、「収斂進化」を子供に教えようとしていることに気がついて笑ってしまった。
「収斂進化」とは、違う種類の生き物であっても似たような環境で過ごしていたり、異なった環境でも生物相の立ち位置が似ていると姿形や身体の一部が似通ってくるという現象である。
現実世界において収斂進化について説明によく使われるのは、サメとイルカだ。
サメは魚だが、イルカは哺乳類である。
両者とも脊椎動物という大きな括りでは同じ仲間だが、サメは、魚類と呼ばれている。4億年前から海の中で進化して、ずーっと海の中で暮らしている。
哺乳類は、魚類の一部が陸に上がり進化して、陸上生活に適応した生き物である。そんな中から5000万年前くらいからふたたび海中生活に適応する哺乳類が現れた。その中の一つが、イルカである。
このように、サメとイルカは、まったく別の種類なのだが、姿形はそっくりな見た目をしている。海の中で生活するには、あの姿がおそらくベストなのだろう。
モグラは哺乳類で、オケラは昆虫である。大きさも全然違う。しかし両者とも、地中にいて穴を掘り進み自分より小さな生き物を捉えて食べる生活をしている。
するとどうなるのか?モグラの前足と、オケラの前足は、そっくりな形をしている。地中を掘り進むには、あの形が一番適しているということなのだろう。
他にも、ハリネズミとハリモグラ、カマキリとミズカマキリ、ズワイガニとタラバガニなど、収斂進化の例は枚挙に暇がない。
それに、ウミディグダという名前も面白い。
最初は笑ってしまったが、よくよく考えれば、ウミネコ、ウミウシ、ウミキュウリなど、陸上の生物にウミとつけて海にいる生物の名前にするのは、現実でもあることだ。
だからこのウミディグダというのも、そこまでおかしな名前ではないのかもしれない。
参考:
https://twitter.com/poke_times/status/1575471967272067076?s=46&t=mz4r7hMG4ac_j7b3EqUWqA
https://bunshun.jp/articles/-/13645?page=1