「北から目線」と「東京雪まつり」

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先日、関東上空を強い寒気が覆い、また南から低気圧が発達してきたため、都心でも雪が降り積もった。都心に雪が降った際にネットでよく言われるのが「北から目線」というやつである。かくいう僕も今は神奈川に住んでいるが、出身は青森であるので、こういう時は北から目線を発動してしまう側の人間である。しかし検索サイトで「北から目線」と検索してみても、辞典系のページに引っかからないのだ。Wikipediaにはもちろん載ってないし、ニコニコ大百科にもない。pixiv百科事典や、アニヲタwikiにも無いようだ。

辞典系のページには引っかからなくても、検索結果でなんとなく意味はわかる。主にテレビ番組で東京に雪が降った様子が放映され、地元に比べて少ない雪で都内がパニック(と言うと誇張になるが)になっている様を見た雪国住まいの人が「東京の雪は大したことないのに…」などとネットに書き込むことを「北から目線」と言ったりする。ネットでなくても上京してきた地方民がリアルで言う場合もあるだろうが、「北から目線」という言葉が生まれたのはやはりネットの影響が強いだろう。元来地方民は、地域格差に苦しめられてきた。しかしネットだけは平等に、地方も都心も関係なく、つながることができる。地元では放送されないテレビ番組や、都内にしかないお洒落なお店など。そして雪もまた、都内と地方の格差を広げる一因となる。

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雪国の民は、冬は毎日が雪との戦いである。青森市で1年に降り積もった雪を合計すると、年にもよるが500cmから1000cmにもなるという。雪が降る月は、12月から2月まではほぼ毎月毎日降雪があると言ってもよい。青森市の冬は晴れている日がとても少ない。11月と3月4月にも「少しだけ」降るが、まあ誤差みたいなものである。

仮に12月から2月までの90日間のうち7割の63日間で700cmの雪が降るとすると、1日あたりは約11cmとなる。体感的にもまあそんなものかなと思う。雪国の民たちは、毎日雪かきに追われる。青森市民の1日は、雪かきに始まり雪かきに終わる。雪を片づけても、明日にはまた同じ量が降る。毎朝雪かきをしないと車が発車出来ない。夕方雪かきをしないと、家に入れない。冬は毎日そんな調子だ。そりゃあ、1日だけで翌日には融けてなくなるような僅かな雪にてんてこ舞いな都民に二言三言言いたくもなる。

ただし僕もいい加減神奈川に10年も住んでいるので、東京側の事情もわかっているつもりである。北から目線で少しの雪と言われようが、都心では珍しいのだから仕方がない。東京は1年に1日あるかないかの積雪への対策や用意がない。人間も慣れていないから転ぶし、車も滑って道路は通行止め。さらには電車も止まる。そんな惨状を、黙ってみているわけにはいかない。

どうか都心のみなさん、1年に1日あるかないかの積雪のために、登山用品店に行って登山用の靴を購入していただきたい。そして雪予報が出たらその靴で出かけてほしい。そうすれば、転んで怪我をすることは減るだろう。

テレビが東京の雪の様子を全国枠で放送するのは、東京に関心がある人が多いからだ。最近はコロナ禍で出張などはあまりないのかもしれないが、次の日東京へ出張に行く人がいたり、東京へ遊びに行く人がいたりするかもしれない。そういう人たちが多いから、東京の雪をわざわざ全国枠で放送するのだろう。僅かな雪で大騒ぎする様子は一種のお祭りのようにも見えたので、Twitterで「東京雪まつり」と検索してみたら、同じ考えの人がたくさんいたようだった。そのあとGoogleで検索してわかったのだが、実は「東京雪まつり」という代々木公園に人工雪を撒いてスノーボードを滑るお祭りが実際にあるらしい。

東京雪祭 | 2021.11.13(Sat)-14(Sun) | 東京雪祭2021 @代々木公園 | 一般社団法人SNOWBANK