【映画メモ】機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島【ネタバレ】

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#機動戦士ガンダム #機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島


6月4日に「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を見てきた。

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原作はテレビ版「機動戦士ガンダム」#15「ククルス・ドアンの島」。作画崩壊で有名な話である。箸休め回、捨て回としても有名で、後からガンダムのテレビのストーリーを劇場版3部作にまとめたときには、この回はまるまるカットされてしまったらしい。そんなアニメのいちエピソードに過ぎなかった話を、尺の都合で削った要素をもう一度足して、さらにはモリモリに設定を持って、2時間弱の映画にしてしまったものである。

さいきん公開されたガンダムの映画といえば「閃光のハサウェイ」がある。

【映画メモ】機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ【ネタバレ】 - 宵闇林檎〜中身ゆるゆるブログ〜

Twitterの僕のフォロワーさん周りでは、「ハサウェイ」を見に行く人たちは、「ガンダムの映画」にお金を払うような人たちなので、ガンダムの作品群を「ハサウェイ」しか知らない人たちに、「ククルスドアン」を紹介して見てもらう必要があると、議論していた。ガンダム世界には「宇宙世紀」という独自の年号があり、「ハサウェイ」は宇宙世紀105年、「ククルスドアン」は宇宙世紀79年の話であり、両作品の繋がりは、ほぼ無い。ただ「ハサウェイ」しか知らない人に「ククルスドアン」を説明するとしたら、ハサウェイ君のご両親が結婚する前の話であり、ハサウェイ君が憧れていたアムロ・レイもまだ少年の時代である。そのくらいしか、繋がりはない。逆にいえば、「ガンダム」を全く知らない人や、アナザーガンダムしか知らない人も、みんな気軽に見にいってほしい。予習とか、いらないんで…。強いて言えば、ホワイトベースアムロ、カイ、ハヤトなどの何人かは民間人がたまたま戦争に巻き込まれてしまい、各々のできることをなんとか必死にやっている…ということを、頭に入れておいた方が、いいかもしれない。

 

 

 


以下、僕が本作を見た感想とか見ながら考えていたことを書いていく。ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オリジナル版と比較してちょこちょこ設定が変わっているようだったが、些細なことだと認識している。ガンダムの花形はやはりモビルスーツ戦闘で、「ジムが実戦投入されてるのは時期が早くね?」みたいなツッコミに関しては、細けえこたぁいいんだよ!って感じだし、実際映画の話の前に連邦軍基地ジャブローに到着してガンダムのデータは吸い出し済みらしいので、まあジムの1機くらいはあってもいいかなと。またこの映画のブライトさんは25歳らしい。パンフレットにもそんなことは全く書かれていないが。

冒頭カイからの通信が鬱陶しくて、通信を切ってしまうアムロ。お前ほんとそういうところだぞ。カーラちゃんからお水を分けてもらっても最初の頃はお礼を言わなかったりするが最終的に井戸を汲み上げるポンプと灯台の発電機を修理したことで子供たちとも打ち解けていく。しかし基本的にガンダムに乗っていないアムロくんは軟弱でヒネクレ者のクソガキであるという点が特に序盤は強調されている。だんだんちゃんとお礼が言えるようになったり子供達に慕われたりしていきこの映画の中だけで見違えるほど成長している。

それにしてもアムロくんは最初のころは島の子供たちから結構きついことを言われてしまっている。「帰れー!」「しんじゃえー!」「そんな奴に食べ物をあげるなんて!」逆に子供たちが生活に苦労していることが窺える。「ガンダム」の最初の方ってこんな感じだったよな〜と思ったりした。ホワイトベースの乗組員も人手不足で、非戦闘員のフラウやカツレツキッカまでも、自分達にできる仕事はやったりしてなんとかやってきた。ロボットを売るためのアニメだからと言って、戦争の被害者も蔑ろにせずに、キチンと描く。でもちょっと多過ぎないか子供たち。ヤギまでいるんだけど。一体どうやって子供たちを島に連れてきたんだろう…。みんなでザクに乗ってきた、とかだったら面白い。あるいは、一度にあの人数じゃなくてちょっとずつ連れてきたのかもしれない。

カイとハヤトに関しては出番も少なめで、モビルスーツ戦でも健闘虚しく敵にやられちゃうんだけど、スレッガーさんに至ってはジムごとコアブースターから落下してジムを壊してしまい戦いでは全く頼りにならなかった。なんなんだおまえらマジで。ドアンがガンダムアムロに返すか返さないかのときに「子供たちを守るために、君の仲間が相手でも戦えるか?」って言われて、アムロは少し怯むんだけど、彼らがすぐにやられたせいで、アムロが彼らに銃口を向けることはなかったんだよね。がっかりしたような、ほっとしたような…。あとアムロを見捨ててベルファストに向かいますってなったとき、フラウが泣いちゃうんだよね。まあフラウはそうだろうな…ってなる。映画の中ではまったく描かれていないが、アムロとフラウとハヤトは幼なじみである。そういう細かい補完は必要かもしれない。

今回ゴリゴリに盛られたククルス・ドアン。特殊部隊の隊長であるという設定が加わり、シャアかドアンかと言われるほど強いパイロットだったという設定がついた。まあヒートホーク1本でジムやザクをめった斬りにして、ガンダムまでも戦闘不能にしたとあって、説得力はある。敵機の部品から自身のザクを修繕することができて、それでいて畑仕事やヤギの乳搾りも出来る。子供たちにも優しい。なんだこいつ完璧超人か?ドアンのポイントはふたつ。一つは何故子供たちと一緒に生活しているのか?これは実はドアンが軍に所属していた頃、作戦行動中に彼らの親を殺してしまったため、罪滅ぼしのためなのだ。本作だとそれをアムロたちに告白するシーンはないのだが…。子供たちも知らないままだがアムロも知らないままである。もうひとつは、カーラとはセックスしているのか…ではなく島の地下に隠されたミサイルの存在。あれって劇中マ・クベが言ってた世界中に放たれる核ミサイルなの?それをドアンが何らかの手段で無効化したの?多分そんな感じなのだろうけどはっきりとは言われてないしよくわからなかった。夜中にドアンの部屋をカーラが訪ねた時に、隠した設計図を拡大したらなにかわかるのだろうか。

正直にいうと中盤のアムロと子供たちとのわちゃわちゃは退屈だった。アムロに畑を耕すのとか第一次産業的なことをやらせてもうまくいかないのは視聴者としては分かりきってるし、逆に灯台が壊れてる話になった時に「ははんこれをアムロくんが修理して子供たちに認められる流れだな」って話の流れが読めたし。アムロガンダムに再び乗り込んでからは楽しかった。この時点でガンダムの勇名はジオンに響き渡っており、ガンダムを見ただけで怯える敵兵。まともにやり合っても、コクピットビームサーベルで直接ニコルしたり、生身のところを踏み潰したり(アムロにこれをさせたのはどうかと思う)崖の下で敵機を爆発させて見守っていた子供たちの安全に配慮したり、やりたい放題である。60mmバルカン最高や!!ビームライフルなんていらんかったんや!!あとBGMの使い方もすごく良かったと思う。アムロガンダムに乗ってない時はゆったりめのアレンジ曲を流して、戦いが始まるとちゃんとあのおなじみの戦闘時の曲が流れてくるのがとてもよかった。とりあえず今日はこの辺にしておきます。また何か思い出したら書くかも。