【映画メモ】映画ドラえもん のび太と空の理想郷【ネタバレ】

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2023年3月4日に、「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」を観てきた。

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『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』公式サイト

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今回はわさドラのオリジナルだが、導入に各地方に伝わる神話を紹介するなどのところは、「雲の王国」に似ているところがあると考えていた。そういえば今考えると、ゲストキャラが彼らの都合(思惑?)をのび太たちの街に直接ぶつけてくるところなんかも、「雲の王国」と似ているかもしれない。

ゲストキャラが彼らの都合をのび太たちの街に直接ぶつけてくるといえば、ドラえもん的な時間移動の伏線も素晴らしかったと思う。冒頭に出てきた青いカナブンが再登場したときは、「そうきたか…」と心の中で唸った。その後の天気雨だってそうだ。しかしなぜあの銃に撃たれたものは、虫になってしまうのだろうか?そこはよくわからなかった。

まあ、オリジナル映画について、過去作の何々に似てる、みたいな話をすると、キリがないので、この映画オリジナルの魅力をね、語っていきたい。わさドラオリジナル映画といえば、乗り物が充実しているなぁといった感じがする。今回も物語中でタイムツェッペリンという飛行船をドラえもんが購入する。しかもおまけで個人用の飛行機もある。映画館から帰ってきたら、テレビで去年の宇宙小戦争2021がやってたのだが、去年はミサイルやビームが撃ち放題の戦闘機を乗り回したのに、今年の飛行機は攻撃手段が無かったんだなぁと思った。こちらのユニットがまったく攻撃手段がないのに、敵型の電撃が強すぎる。タイムツェッペリンを購入するにあたり、未来デパートの配達員が、機能をいろいろ説明してくれるのだが、この配達員が、中古であることを主張しまくるのだ。ドラえもんとしては、結構奮発した雰囲気を出している。しかし配達員が、いやーこんな倉庫の隅で眠っていた中古品を買っていただいて、みたいに言ってくるからドラえもんが不機嫌になる。しかし現代で目撃したユートピアを探すのにタイムトリップする理由はよくわからなかった。全ての理想郷伝説の元ネタはパラダピアだったんだよ!がやりたかったのか。それいるかなぁ?あとは、今回もドラえもん一行は全滅寸前まで追い込まれている。のび太にパラダピアンライトは効かなかったが、ジャイアンスネ夫、しずかちゃんまでもがパラダピアンライトの影響を受けて洗脳されてしまった。しずかはともかく、ジャイアンがですます調の敬語を使うシーンは、違和感を通り越して恐怖すら感じる。ただし洗脳のくだりは少しわかりにくい気もするし、ジャイアンスネ夫に必要以上に悪口を言わせすぎている気もする。マリンバが出てくるまでは少し退屈だった気もする。ソーニャは何もなければ基本的に良い子なのだが。良い子過ぎてつまらないというか、ドラえもんのび太を助けることも善だと考えているし、三賢人に従うことも善だと考えているし、現在時点だと裏表がないスッキリしたやつだった。声優も、ゲストだなとすぐわかるくらいだが、下手ではないちょうど良い塩梅だった。最後は自爆するが、メモリーが無事だったので復活できまーす、はオチとしてあまり好きではない。ソーニャ自身は幸せなのかもしれないけど。

本編中のテーマの、統一された思想を持つよりも個性を持ってみんなバラバラな方がいいよねという内容について。物語の中だと悪いやつが市民を洗脳して私兵を作ろうとしたので、それに対抗するための個性というのはまあ悪くない。ただ、みんな同じように社会の中で振る舞うことができて、できないやつのことはみんなで励まして、みんな優秀で落ちこぼれがいないという世界には僕自身憧れもある。僕自身現実世界で、どうしてみんなと同じようにできないのだろうと悩む側の人間なので、パラダピアみたいな生活のほうが楽かも…?と思ってしまう。本作以外にも、創作の中では、誰かに言われるがまま自分では考えずに生きるよりも個性的な自分だけの人生を切り開くんだ!みたいな結論になりがちだが、僕を含めた現代人は、自分だけの人生を切り開くことに疲弊していることが多いと思うので…。個性は潰されるのが世の常である。

まあそんな深く考えずに気楽に観賞すれば、普通に楽しめると思う。来年はおもちゃと音楽隊をテーマにしたオリジナルになるのかな?来年も楽しみに待ちたい。