前回ツノがある古生物について書いてみたわけだが、それに関連して、頭部が特徴的なディプロカウルスという化石がある。
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ディプロカウルス(Diplocaulus)というのは、3億年前のペルム紀の頃に生息していた両生類の化石だとされている。
恐竜ではない。
ついでにいうと現代においてディプロカウルスの直接的な子孫は残っていない。
基本的には現生のオオサンショウウオに近いフォルムをしているが、
最大の特徴は、頭骨がブーメランのような形になっているということである。
頭骨は大型化しているが、下顎は普通のサイズだという。噛む力はあまり強くはなかったと推測されている。
また、頭だけではなく身体全体が平たく、脚も弱々しい。
そのため、一生のほとんど水中で過ごしていたであろうとされている。
それにしても、ディプロカウルスは何故このような頭の形になってしまったのか。
ディプロカウルスは、既に滅びてしまっている。現生動物のように生活を観察するということができない。
このような時は、化石そのものから推測、または現生動物から似たような事例を探すしかない。
例えば、当時の捕食者に丸呑みにされても、この頭のおかげで、飲み込まれずに助かることが多かったのかもしれない。
或いは、頭が尖っているオスがメスにモテたのかもしれない。
また、頭骨の形が、浮力を生み出す形をしていて、前に進むだけで水面に上がることができたと推測されている。
このブーメランのような形の頭骨で、キャラクター性は恐竜達に負けず劣らず、むしろ抜群のはずである。しかし、悲しいかなイマイチ一般的な知名度が薄い。
それでも古代生物ファンの間ではよく知られている。
ポケットモンスターの、ドラメシヤ/ドロンチ/ドラパルトのモチーフの一つだと言われている。
またディプロカウルスをモデルにしたゾイドがあったり、
復元モデルがお菓子のおまけとしてフィギュアがラインナップされたこともある。
SFCソフト「46億年物語」では第2章の敵キャラとして登場するが、ブーメランというよりはV字型の頭をしていて、なんか違う。
ディプロカウルスといえば、有名な写真がある。
茶色のディプロカウルスが、タライに入った写真を、見たことはないだろうか?
実はあの写真は、日本のとある模型愛好家が1992年に雑誌に投稿する目的で作ったそうだ。
しかし2004年のヨーロッパの新聞でこの写真が取り上げられ、「このハンマーヘッドサラマンダーは実在するのか?」「古代生物の生き残りか?」などと一種のUMA騒ぎになったらしい。
そんなディプロカウルスだが、実はブーメラン頭の後ろから皮膜が伸びていたとする説があり、
生きていた頃はブーメラン頭はあまり目立たなかったのではないかとする説もある。
僕自身この復元図は最近知ったので、イメージが変わるなぁと思ってしまった。
また、皮膜が控えめな復元図もあり、せめてこのくらいであってほしいというのが正直なところである。
参考:
http://www.interq.or.jp/sun/mm-kas/ichgon27.htm
https://blog.goo.ne.jp/robotsindisgize1985/e/1aec68713402f6acaaf4950c3ca5b790