(※旧ブログからの移転記事です)
アイアムアヒーロー見てきた。原作未読です。
この手の映画、あまり見ないので、ちょっと具合悪くなった。
R15は伊達じゃない。注意されたし。
この手の映画を見慣れないゆえ生まれる感想はなるべく避けていきたいが、この映画で容赦なく赤い飛沫が飛ぶのを見てると、変身ヒーローモノで敵が跡形もなく爆発する描写ってすごくありがたかったんだなと思った。後半なんか誇張表現無しで死体の山だからね。
冒頭は主人公の英雄(大泉洋)が冴えない日常を送っていく描写が淡々となされており、英雄が同棲している彼女のてっこ(片瀬那奈)と冷え切った仲であるとか、漫画家アシスタントのうちの一人の女性と漫画家先生がデキてるとか、昔英雄と一緒に新人賞を受賞した漫画家は英雄とは違い漫画家として成功しているとか、そんな展開が描かれる。
彼女の「いい加減現実見てよ!!アタシもう34なんだよ?!」ってのが地味に辛くてですね、「英雄の夢を見たい気持ちはわかるけどここで怒る彼女は悪くないよなぁ」と感じてしまう。
この辺りまで見ると、「あれ?ダメ男を見捨てられないダメ女のラブコメモノだったかな?」なんて勘違いしてくる。R15はエロシーンのためかな?ってなってくる。しかしそれこそが本作の狙いである。先に日常を描いておいて普通に人間ドラマが始まりそうな感じを出しつつ、事が起こると全部関係なくなる。
作中のゾンビ化は、ZQNと呼ばれている。ZQNが発症する直前に自己主張が激しくなるのだが人間は誰でも主張したいことがあるはずなのでどこまでまともで何処からがZQN化によるものなのかわかりにくいのが疑心暗鬼感があって良い。
三谷(塚地武雅)が先にZQN化した漫画家先生(マキタスポーツ)をボコボコにしたのも、伊浦(吉沢悠)が藪(長澤まさみ)に急に「セックスしよう」って迫るのも「この状況下では、素かもなあ」みたいに思える。だが二人ともZQN化している。
ショッピングモールでの立てこもりは、よくネットで言われる「おまえらゾンビが発生したらホームセンターに立てこもるよな?」を彷彿とさせる。ラスボスは地味に初登場で屋上に到達しそうになるんだよね。生前の世界に囚われたZQN達は何か前に仕事で関わっていたアレなアレを彷彿とさせるが明言は避ける。
あとはやっぱり中盤からの作品の清涼剤になる女子高生の比呂美(有村架純)の存在は大きいのだが、アウトレットモールでみんなと合流してからはお荷物になってしまっているのは勿体なくないか?
ナニモデキナイロボとかじゃなくてずーっと寝ていてほぼ台詞もないので文字どおりお荷物。
これ原作通りなのかわからないけど彼女はもっと喋らせてよかったのではなかろうか…。存在感は大きいだけにちょっと残念だ。